なるに屋ブログ
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プーさんの鼻

今、放送されているNHKの朝ドラで度々短歌が登場します。

短歌に馴染みのない私も、一冊だけ俵万智さんの歌集を持っています。

酒井駒子さんの装画に惹かれて手にした『プーさんの鼻』という本。

多くが俵さんが出産され子育てする中で詠まれた歌ですが、

極ありふれた日常の一瞬を、たった31文字で表す短歌だからこそ情景が目に浮かんで心に響きます。

親の立場、子の立場、色々な立場で見える世界もきっと違うのでしょう。

朝ドラをきっかけに久々に開いた歌集から好きな歌をいくつか。

「記憶には残らぬ今日を生きている子にふくませる一匙の粥」

「叱られて泣いてわめいてふんばってそれでも母に子はしがみつく」

この歌集の良さは、俵さんのあつがきに良く表れています。

とても読み易く、短歌の良さを味わえる本なので、あとがきを含め是非呼んでみてください。     (Si)

河出書房新社『プーさんの鼻』俵万智 著 1540円